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竜を継ぐ者(7)何とか戻れはしたけれど……我慢の限界です!

 真吾を呼ぶ彩夏の声――。
 遠いような、そうでもないような不思議な距離感で彩夏の声が耳に届く。
 少しだけ必死で、どことなく心配そうな声だった。
 会話を殆ど交わした事もないのに、何故そんなに心配そうなんだ……。

「――ちょ……滝川くん!?」

 起さないでくれないか。
 何だか気持ちが良いんだ……。

「滝川くんってば!」

 もう一度、聞こえてきた。
 今度は少しだけ近い。
 煩いなぁ――どこから聞こえてくるんだ……。
 そう考えた時、肩が大きく揺さぶられた。
 真吾の意識はその刹那に、深淵の中から一気に引き上げられてしまった。

「ッ…………」

 重い瞼が離れたくないとダダをこねるように戻ろうとする。
 うう~……重い。
 閉じようとする瞼を邪魔するように、再び揺らされる肩――ちょっと、少し乱暴なんじゃない?
 もう少しだけ優しく揺らして欲しいと、心の中で愚痴る。
 仕方なく真吾は、目を開けるしかなかった。

「……ん……」

 まず目に入ったのは、色白で柔らかそうなおっぱいだった。
 何で目の前に女性の裸の胸があるんだろう――ぼんやりとする頭で、矢張りボーっと考える。
 あ、そうかこれは夢か。そうに違いない。
 日頃から彼女欲しいとか、女の子とヤりてーだとか考えてるからこんなモノを見るのかと、真吾は思い込む事にした。だけど女の子のおっぱいを夢にまで見るとは……重症な欲求不満だな。
 頭を預けたまま柔らかい脹らみに唇を押しつけると、真吾はチュウと吸った。
 うっは~!ヤバい、柔らか~い……ふわふわモチモチな感触が何ともリアル。
 凄い夢だな……。
 頂点の蕾を摘んでコリコリと揉みながら、チュッチュッと遠慮なく脹らみに何度も口づけると、頭上から女の子のちょっとエッチな声、それから……。

「ちょ……あっ、滝川く……も~!あんっ、やめて、いい加減にして!」

 怒ったような声がそれに続いた。
 声の方に頭を向けると、真吾を怖い顔で睨みつける赤面した彩夏のアップ。

 「――え、委員長……!?」

 どうして彩夏のアップが目の前に……。
 それに気づくと色々な事が思い出されてきた。
 そうかさっきまで、自我のない彩夏にエッチな事をしてたんだ――という事は?
 夢でも何でもなく今現在、手にしてるのは彩夏の生のおっぱい。そしてこれは現実で……そこまで考えると血の気が引いた。
 ひ~、自我のある本人を目の前にエッチな事をやっちまったぁ……焦った真吾は、生乳から慌てて手を離した。
 いやもうこんなの……笑って誤魔化す以外に思いつかない。

「あ、え!?え~と……アハハ、おはよう委員長」

 すっとぼけたような真吾に、彩夏は苛立ちも露に眦を釣り上げた。
 あわわわ、いきなり生乳に吸いついたのはマズかったなぁ……。
 真吾は決まりが悪そうに苦笑するしかなかった。

「目が光ったと思えば気を失ったみたくなるし、起きたかと思えばこんな事するし……寝ぼけてんの!?」

 ヤバい、メチャメチャ怒ってる……。
 何がどうなったんだっけな。どうも頭がはっきりしない。
 頭ははっきりとはしないが、勃起したペニスが未だ彩夏の膣《なか》に存在するのは流石に理解できた。
 だって感触がめちゃくちゃヤバい……暖かい肉感は、僅かでも動けば堪らない刺激を腰に伝えてくれる。
 本能としてはこのまま腰を猿のように振り立てたい所だが、何も弁解しないまま欲情に走るのは如何なものか。ただでさえ激昂している彩夏の怒りを、余計な事で逆撫でたくない。

「い――いや、そんな事は……あ――そうか思いだした」

 今までずっと身体の内にいたんだった。
 真吾はあれからの事を漸くはっきりと思い出した。
 あの変な声に身体を盗られて動けなかった事や、自分の肉体に精神が閉じ込められていた事、そこから出る算段を試した事を思い出す――。
 彩夏が犯されている間中、牢獄のような身体の内から何とか出る方法はないかと、思いつく限りの精神集中を試みた。
 精神修行なんて練気を中学の時の部活で少し修練しただけだし、ほぼ勘だし……正直、成功すればラッキー程度のノリでしかなかった。
 修験者だとか、まともな武道家でもないのに良く成功したと思う。成功したから良かったようなものの、もう一度試せと言われてもできる自信はない。
 どの方法が上手くいったんだろ……。

「ところで目が光ったって……何?」
「突然クラクラした様子になってね……そうしたら、滝川くんの目が金色に光ったの。光はすぐに消えたけど、そしたら今度は倒れて――」

 光が消えて倒れた――って、若しかして出るのに成功した瞬間なのか……?
 その後の記憶は、ほんの僅かの時間だが確かに切れている。
 だとしたら辻褄から言っても、矢張り成功した瞬間なのだ。
 しかし目が金色に発光とは……猫じゃあるまいし今までに無かった。両親からもそのような話は聞いた事が無いし、今以前にそんな事が起きた記憶は、覚えている限りでも無い。
 内にいるであろうあの声といい、自分の中で何かが起こっている。だが真吾がどうこうするにも、糸口になりそうな|秘鑰《ひやく》がない。

「――って、何も覚えてないの!?」
「う~ん……いやさァ実はその時、身体を盗られて僕は自分の内に閉じ込められてたんだよね」

 呆気に取られたように、ポカーンとしている彩夏。
 気持ちは理解できる。真吾も正直、同感だ……自分の事ながら、上手く説明できる言葉がない。

「目が光ったって時、僕はちょうど牢獄のような肉体の内から脱出した時だったんだと思う。そこからの記憶が確かに途切れてるし……」

 話していけばいく程、胡散臭いものを見るような目つきに変わる。これは絶対に信じてくれていない。
 事実を話しているのに、いかにも現実的そうな彩夏に非現実的な話を信じろというのは難しいのかもしれない。

「その顔、全く信じてないよね……まぁ理解できるけどさ、僕が変な事を言っているのは。どう説明したものか、僕もちょっと悩んでるんだよ」

 どう説明したものかと思案している真吾を見ている彩夏の表情は、いかにも怪しいものでも見るような不機嫌な顔だった。
 上手い説明も思い浮かばず、雰囲気はまさに膠着状態。これ以上どう説明したら良いのだろう……。

「その時から委員長に起されるまでの記憶は確かに切れてるんだけど――」
「な――なら私をレ●プしたことは……!?」

 険しい顔で真吾に詰め寄る彩夏。
 ですよねー……彩夏が一番怒る理由なんて、それを措いて他にない。
 こうなるから襲うのは嫌だったんだ……と、心で真吾は嘆息した。

「――ごめん。身体の内から見てたから、知ってる……」

 犯される現場を目撃した後ろめたさと、そうなる前に肉体へ戻れなかった不甲斐なさ。かける言葉も思い浮かばずに真吾は押し黙った。
 結局こうなってしまうのなら、最初から拒まなければ良かったのだろうか。そうすれば説明がつけられず苛立つ事も、不甲斐なさに気が咎める事もなかった。
 彩夏にとっては中身が違うだけで、犯す肉体は同じだ。
 それに処女の女の子を折角抱いたのに、全くその体感を味わえなかったのはちょっと残念だ。なんて事を彩夏に知られたら逆上されそうだが、興味があるのはどうしようもない。
 仕方ないよね、男だもん。

「君を犯したのは僕の身体ではあるけれど、中身は僕じゃない……」
「ならこの身体は誰のだって言うのよ!」

 彩夏は真吾の胸をパシパシと叩いた。
 気持ちは理解できるが話が逆戻りだ。真吾は溜息をついた。

「違うんだよ……今の僕とさっきの僕の肉体にいた奴は別人なんだ」
「中身が違う……ですって?確かに雰囲気は違うようには思うけど……」
「僕は何故か身体を乗っ取られて、そのまま身体を誰かに使われただけだ――信じてよ……?」

 彩夏の表情が少し和らいだように真吾は感じた。
 ふんわりとでも人格の違いは感じて貰えたようだ。信じて貰えたかは兎も角、取り敢えず真吾はホッとした。

「入れ替わる前に僕はあいつに、君を犯せと言われたんだ――断ったけど、身体を乗っ取られた。目的はわからないけど、僕に君を犯させたかったみたいだ……」

 彩夏はポカンとすると「何それ」と呟いた。
 何故そうしてまで、自分を犯させるのか彩夏が疑問に思わないはずもなく、その疑問については、真吾にも感じるところがあった。
 信じ切れていない彩夏は詭弁だともまだ疑っているんだろうなと真吾は思った。すぐに信じられる話でもないから当然だし、どうせ結果的に疑われるのならヤらなきゃ損だよな……。
 抑えていた肉欲が疼き始める――そろそろ我慢ができない。
 未だにペニスはしっかりと勃起したまま、彩夏の|膣《なか》に収められている。動かさなくても感じる膣の感触……堪らない暖かさと肉感がヤバい。
 理性はもう限界だ。どうせ疑われるのなら、自分の意思で手を出してから疑われた方がマシってものだ。

「でも、何か意味があるんだと思う。だから――」

 彩夏の顔の血の気が引いた。
 迫る真吾に彩夏も何か不穏な空気を察したようだ。

「だからって何、滝川くん何を考えてるの……?」
「続きをしようか、委員長」

 ニコッと微笑む真吾に対し、彩夏の顔はピシッと凍りついたように固まる。

「そんなに怖い顔をしないでよ。僕もはじめてだから上手くできるかわからないけど、優しくするから……」
「優しくとかそういう問題じゃないってば!滝川くん早まらないで!?」

 硬直から立ち直った彩夏は真吾を懸命に説得する。縋るような目が健気で可愛い。
 普段の彩夏を傍観している身としては、もっと強い拒絶だとか蔑みの言葉だとか、手厳しく拒まれると予想していたのに、真吾の想像よりも意外と大人しい。
 あの声に犯された時はもう少し強気だったし、胸倉を掴んでいたあたり結構な気迫だったように思う。 
 説得を試みながら頬を染めた必死な表情が、普段と違って健気で可憐らしい。

「だって委員長、身体が感じすぎて辛いんでしょ?」
「な…………っ!?」

 頭から盥でも落ちてきたような顔で絶句する彩夏の顔は、恥じらいからか真っ赤に染まった。
 こんな表情もするんだと思うと、もっと色々な彼女が見たいと真吾は感じた。

「ずっと会話は聞こえてたから知ってるよ。ココが大変になってる事もさ……」

小説家になろう・ノクターンノベルズでも連載中です◇










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2018/07/17 00:00 | 竜を継ぐ者~黄の刻印の章(世界はエッチと愛で救われる)COMMENT(0)TRACKBACK(0)  

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