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竜を継ぐ者(32)イチャラブエッチって気持ち良い①



 愛おしむように指先が、ふにふにとした頬のラインを徐に撫でる。指はそのまま顎を押し上げて、上向いた唇に真吾は唇を重ねた。
 口づけられた唇が強弱をつけて、幾度となく唇を啄ばみ――熱を帯びた眼差しが、心を絡め溶かすようにジッと見つめる。言葉で伝えられない代わりに、指先で、眼差しで、唇で……真吾は美奈に愛を囁いた。
 ペニスに指を添えて、膣口を探すように雁首を割れ目になぞらせると――ぐちゅりといやらしい音がした。

「美奈――ココ凄い事になってる。メチャメチャ蕩けてるよ……」
「――やっ……!」

 顔から湯気が出そうな程に耳まで真っ赤な美奈の顔。
 泣きそうな表情が可愛くて、グッとくるほど艶めかしい。穴があったら迷わず飛び込みそうな羞恥の表情は、メチャクチャにしたいほどキュンとくる。

「は――はず……恥ずかしい……」
「その表情《かお》すっごいソソる。挿れても良い……?」

 押しつけるようにクンと僅かに力を入れると、雁首の尖端がクプリと入り口を押し広げるように潜り込む。美奈の狭い膣口は、とろとろに溢れた蜜で難なく雁首を咥えて、その衝撃で美奈の身体が切なそうにピクンと跳ねる。

「――っうん!……はう、あ……欲しいよ。滝川くんのが欲し……っ」

 美奈、エロい。こんなの聞かされたら止まれない――。
 真吾は、腰を突き上げていた。
 キスと挿入は、殆ど同時だった。
 美奈の唇を塞ぎながら、一気に奥まで熱り勃つ剛直をズブリと突き挿れる。膣《なか》は酷く火照り、溢れる蜜でどろどろ……何の抵抗もなくスムーズに、ぬるんとペニスを迎え入れた。

「――くぅん!!んむ……っんく!ぅううん!!」

 一番奥の切ない場所を突き上げられた柳腰が、甘い衝撃にビクビクと震える。疼きすぎているのか、美奈を襲う甘い痺れは治まりを見せない。
 快感が落ち着くまでの繋ぎにと、続けていた口づけは失敗だ。
 余韻に翻弄される遣る瀬無い表情が、男心を頻りに擽り震えが止まらない。急きたてるように滾る情欲が、美奈の口腔を犯し始めた。
 絶えず響き続ける疼きの波に、細い腰をビクビクとさせたままで施される、深く凄絶な口づけ。呼吸も許さないような激しい口づけなのに、美奈の双眸は夢見るような陶酔の深みに落ちていた。
 張り詰めた剛直が、それだけでは物足りないと、求めるように膣道をゆっくり摩擦する。切なさに締めつける美奈の性器と、カチカチに膨張した自分の性器が擦れて、溶けてなくなりそうな程の快美感が、身体中を蕩けさせるようにゾクゾクと這い回った。
 堪らないのか、もっとと甘えるように締めつける彼女の蜜壷。ギュウッと指を絡ませるような心地の肉ヒダが、具合の良い圧力でペニスを包み込んでくる。

「|膣《なか》の肉がピクピクしてるよ、美奈……エッチだな」
「あん!そ……そう言う滝川くんのだって……凄くビクビクしてる……」
「あ……あら~……そういうの美奈にも伝わってるんだ?」
「う――うん。き……気持ち良いところ、滝川くんのが擽るみたいに……」

 廉恥が頂点に達した美奈の羞恥を強く刻み付けた顔は、赤く艶めく頬に涙が浮かんで、とても猥らだ。男の情欲を擽る表情、その純な仕草……仕草とは真逆の、エッチな言葉。
 愛しい人のはしたない隠れた一面に、ゾクゾクしてしまう。

「あ――あの、そろそろ……」

 恥ずかしそうに俯く美奈の、おずおずと遠慮がちな雰囲気。

「そろそろ……何?」
「――滝川くんて、結構意地悪……」

 心に掛けて覗き込む顔に、ボソリと聞こえるかどうかといった声で呟く美奈。こういう顔を見てしまうと、何だろう……余計に悪心が沸いてしまう。
 真吾は、とぼけたように首を傾げた。

「だ……だからそろそろ――その、う……ううう、うご、う……も、もっと動かして……ッ」

 必死な眼差しが健気すぎて、ヤバいくらいグッとくる。
 美奈の顔はみるみるうちにボッと燃え上がるように上気していく。今にも湯気が立ち昇りそうな羞恥の表情は、嬉しさが同居した擽ったそうな顔だ。
 愛する男に抱かれる最初で最後の泡沫の夢に、必死に応えようとしてくれてる、痛切で一途な乙女心がビシバシ伝わってきた。
 美奈の精一杯のお強請りと、廉恥を感じて恥じる表情に、痛いほどの劣情が心を焦がした。

「凄ェ可愛い……ヤバいわ。ごめん、ちょっと激しくしちゃうかも」
「…………いいよ、激しくシテも……」

 あ…………もうだめ。
 腰が自然に動いていた。脳はまだ信号を送っていないのに、反射的に。ペニスに快美感が走ると、勝手に腰が前後に動き、緩慢なペースは興奮に耐え切れずに激化する。

「――っあん!あん!あん!は……激し……ぃ!」

 滾る情欲をそのままぶつけるような、息もつかせぬ激烈な責め。舞い上がる身体を繋ぎ止める楔が、細い括れをがっしりと掴む。柳腰を突き上げる剛直は狭い膣道の拡張を繰り返しながら、逃れられない無垢な天使を堕天へと誘う。

「あっあっあっあっ!たきがわきゅ……うん!!あーっ!あーっ!おかしくなる、滝川くぅん……ッ!!」

 すっかり快楽に堕ちた天使は、腕の中で激しく乱れた。自分の分身によってあられもなく乱れる恋人の姿に、強烈にグッとくる。
 凄く内向的で言葉少ない、話し掛けてもまともに声にならない彼女が、名前を繰り返し呼びながら自分をこんなにも求めてくれる。
 健気な姿に、愛しいと感じる気持ちが止まらない。
 苦しいくらいキュンキュン疼く恋心は加速度をつけて、今も脹らみ続けている。マズいくらい魅了される自分は、美奈の虜なのだと真吾は気づかされた。
 己の運命にはじめて、真吾は憤りにも似た悲しみを覚えた。
 今までも全く不満に思わなかったと言えば嘘になる。
 唐突にレイプ行為を強いられて、それを不満に感じなかった訳ではない。ただ拒絶する理由が特になかっただけだ。今迄は女の子とヤれるから、多少の疑問を感じてもなあなあでやって来られたが今は違う。
 詳しい事情を未だ知らされてもいないのに、勝手に運命を押しつけられた。好きな子を諦めてまで、どうして他の子を犯さなくてはいけないのだろう。真吾はそこに悲憤慷慨する――僕でなければならない理由を知りたい。
 美奈が好きで堪らない。でも、美奈を苦しめたくない。
 恋を我侭に突き通せる傲慢さも、運命を無視できるような強さも真吾にはない。
 放縦な性格なら美奈を彼女にして、運命も受け容れられたのかな……。
 どんなに恋焦がれていようと、美奈の気持ちを痛いほど感じていようと……それでも美奈を縛れない。
 本心では美奈を離したくないと、どんなに思っていようとも。

小説家になろう・ノクターンノベルズでも連載中です◇










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2018/08/12 00:00 | 小説概要と目次COMMENT(0)TRACKBACK(0)  

竜を継ぐ者(29)ファーストキスは星空の下で②



 額を守るように、手で隠す美奈。
 表情は暗幕のように遮断する前髪の所為で、読み取る事はできない。
 しかし雰囲気が伝えてくれるのだ。彼女の悲しみと拒絶の心を。それが何を意図しているのか、その理由を真吾は既に知っていた。

「ごめん……さっき君を介抱してた時、見ちゃったんだ。でも……僕は気にしてない」
「私は気になるもん……」

 幾度かの押し問答の後、美奈は激しく泣き出した。
 美奈の綺麗な目を見ながら口づけたいだけなのに、傷なんて全く気にしてないのに……その言葉だけでは、美奈はわかってくれない。
 必死に首を振る仕草があまりに悲痛で、彼女の拒絶は根深いものなのだと思い知らされる。俯く美奈の姿が痛々しく、真吾は二の句を継ぐのに躊躇した。

「わかって欲しいの。滝川くんだから、見られたくない。だって……」

 結城さんは……そう言って、美奈は言葉を紡ぐのも苦しそうに押し黙った。
 美奈は……結城愛と自分を比べて、自分を卑下しているのか……?
 確かに愛は飛びきりの美少女だが、真吾は比べようなどと考えた事もなかった。二人の魅力は全く別物で、比べられない……美奈には愛に無い魅力があると、真吾は思っている。
 でなければ、こんなに惹かれるものかよ……!
 思いを伝えてくれなかった理由がその所為かと思うと、今までの葛藤や迷いが頭から抜けてしまうほど、真吾は悲憤に胸が熱くなった。

「美奈を魅力的だと言った言葉は偽りじゃない。本当にそう思ってる……」

 心で大きくなっていく美奈の存在は、思いを寄せた愛よりも既に大きい。それを伝えてやる事は叶わないけど、せめて檻のような呪縛から美奈を開放してやりたいと思った。

「電車ではじめて君と目が合って、見惚れたよ……目が凄く綺麗だなって」
「でも、でも……こんな傷なんてあったら台無しだもの……」
「傷なんて気にならないって言った。僕は――美奈の綺麗な目が好きなんだ」

 未だ顔を上げてはくれず、美奈の唇からは嗚咽が小さく漏らされた。
 顔が熱を持ったように熱くなった。
 まるで告白でもしてるようだ。本当はここまで言うつもりは無かったのに、熱くなると止まらなかった。後で思い出したら悶絶するかもしれないけど、でも本心だ……。
 美奈の綺麗な目が、堪らなく好きだ。
 それで美奈の心が開放されるなら、何度繰り返しても構わない。言葉を尽くすのは、美奈に心を開いて欲しいから……美奈に無理強いは、二度としない。

「僕は美奈の魅力が結城さんに劣ってるなんて、これっぽっちも思わない。美奈は魅力的だよ……」

 今の言葉に反応するように、美奈の頭がピクリと動いた。
 僕はこんなに直情的な人間だったろうか。
 自分はもっと冷静な人間だと思っていたけど……多分それは誰とも関わらないからこそ、客観的に周囲を見れていただけなのかもしれない。
 真吾はこれまで、どちらかと言うと冷めたように周りを見ていた。気の抜けたような温い炭酸のような毎日を、ただ何となく生きる――イージーゴーイングな考え方でも、平和に日々を過ごせれば良いと思ってた。
 美奈に強く惹かれてから、何か違うものを感じはじめた気がする。キスしたいと感じた気持ちも、情熱的になってしまうのも……美奈だから。

「だ――だって……こんな傷があったら可愛くなんて……」
「美奈は綺麗で、凄く可愛いよ!」

 語気を荒げた所為か、美奈の嗚咽がびっくりしたように止まった。

「女の子だから気にする気持ちはわかる。でも、その傷も含めて全てが君なんだから――僕が好きなら隠そうとしないで、ありのままでいてよ」

 惹かれたのは、ありのままの彼女。
 着飾ってる訳でもない、明るい笑顔を見た訳でもない――素のままの美奈だ。気づかれたらと心配できるほど、冷静ではいられなかった。
 わかって欲しかった。
 愛を気にする必要はない。自分の目に、美奈がどう映っているのかを……。

「美奈の目が堪らなく好きだ。キスするなら、美奈と見つめ合いたいんだ……これだけ言葉を尽くしても、僕の気持ちが理解できないか?」

 詰まるような嗚咽の後、額を隠す美奈の手の力がフッと緩んだ。その刹那に真吾は、扉が開くような音を微かに聞いた気がした。
 それはきっと、心の扉の開く音。
 まだ額は隠されたままだったが、心は込み上げるような暖かい喜びに包まれた。美奈が自分の言葉を受け容れて、心を開いてくれた事が、何よりも嬉しかった。
 額を隠している美奈の手を取ると、真吾はその手にそっと口づけた。

「美奈は――僕がはじめてキスしたいと感じた|女《ひと》なんだ。だから、自信を持ってよ。僕の前でだけは、隠す必要なんて無いから」

 言葉の終わりに、美奈は感極まったような泣き声を零した。
 前髪に触れる指先を、美奈は受け容れた。そのまま前髪を梳いて顔を露出させると――美奈は大粒の涙をポロポロ零し、愛らしい顔で子供のように泣いていた。
 可愛いと囁く度に、肌にそっと口づける度に、感激したようにしゃくりあげる美奈。
 レイプした時のような、痛々しく悲しい顔ではなかった。喜びを湛えた微笑むような泣き顔……この泣き顔なら、怖くない。
 額の傷に口づけてから、涙の落ちる眦にそっと口づける。
 小さな頭にそっと手を添えて慈しむように支えてやると、やっと嗚咽の止まった美奈は、はにかみの浮かんだ顔で真吾を見つめた。
 大好きな黒曜の双眸を見つめ返していると、自然に頬が緩んでしまう。美奈も返すように、真吾に淡く儚い笑みを向けてくれた。

「美奈、僕のファーストキスを受け取って」
「え……?は……はじめて?」
「どうして意外な顔するんだよ。はじめてだよ……」

 美奈は「そっか」と言って、嬉しそうに顔を崩す。
 喜びに綻ぶ頬を愛でるように触れながら、ゆっくりと顔を近づけていく。だんだんと目が細められて、美奈はキスを強請るように目を閉じた。
 応えられない事を知った上で、ファーストキスの相手に選んでくれた。レ●プという酷い手段で抱かれても、思いを砕かせる事も無く今も思い続けてくれる美奈。
 今夜限りの泡沫の関係でも、幸せな時間を美奈にあげたい。
 応えてやれない癖に、そう思うのは男の身勝手なのかもしれない。それでもはじめてのキスに美奈が喜んでくれるのなら、この上も無く嬉しかった。
 美奈に一つでもいい、何か残してやりたかったから。

「言ったろ、自分からはじめてキスしたって……」

 薄く――ほんの僅かに開かれた桜色の唇に、真吾は自分の唇を重ねた。
 ぷにっとした美奈の唇は例えようも無いほど柔らかく、香る息が何だか甘い。これが女の子、これが美奈の感触なんだ……半勃ちになりかけていたペニスは瞬く間に膨張し、すぐにカチンコチンになってしまった。
 美奈を抱きしめただけでも勃つし、キスでフル勃起するのも仕方のない事だと思うが、キスの爆発力は凄まじ過ぎる。
 胸が熱い……。
 ふわりと舞い上がってしまいそうなほど幸せなのに、締めつけられるように息苦しい。破裂しそうな切なさに、自分を見失いそうになった。

「――ふっ…………」

 美奈のプルンとした唇を、まるで押しつけるように頬張ると、吐息のように熱い呼吸が美奈から漏れた。
 火照るように頬を赤らめて、酔いしれるような顔でキスを受ける美奈。
 その表情にドキドキと胸が高鳴ると、まるでシンクロしたかのようにピクピクとペニスが反応する。はじめてのキスと、キスに陶酔する彼女の表情で、ヤバいくらいに興奮が昂ぶっていく……無意識に、手が動いてしまった。
 頬に添えられた手が彼女の肩から腰へと滑っていく。
 美奈は指の撫でていく感触がぞくぞくするのか、可愛らしい反応を身体に伝えてくれる。腰に到達した手が彼女の腰を強引にグイッと引き寄せると、惹きあうように美奈の腰が身体に押しつけられた。
 下腹部どうしが口づけのようにぴったりと重ねられ、下に逃げたペニスがゾルッとツルツルの丘を擦る。

「――っふ……んっ」

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2018/08/09 00:00 | 小説概要と目次COMMENT(0)TRACKBACK(0)  

竜を継ぐ者(27)女の子から貰った人生はじめての告白は、酷く苦い味がした②



 でも、ショックだったのだ。
 そんな風に見えるのかなとか、見られてたのかなとか……色々と考えてしまう。

「怒るよ?バカだな……そんな事ないよ。大崎さんは凄く魅力的な女の子だと、僕は思うよ」
「――ホントに?滝川くんの目に、私はそう映ってるの?」

 余程意外だったのか、美奈の顔には色々な感情が浮かんでいた。驚き、喜び、戸惑い――浮かべた涙がどの感情を司っているのか、理解が及ばない程に、コロコロと変化する不思議な表情。
 どこまでこの子は自分に自信が無いのだろうか。
 自分に確固たる自信を持てる人などそうはいないが、美奈は自分の魅力を知らな過ぎると思う。夜空のように綺麗な漆黒の双眸は、誰にでもあるような魅力じゃないのに。

「映ってるよ……大崎さんは、可愛いよ。電車で肩を貸してた時から、僕は君への興奮を抑えるのに必死だったよ。僕が君に対してエッチな気持ちになったのは、欲求不満だとかそういうものじゃない。君の魅力の所為だよ」

 言ってしまってから、真吾は酷く恥ずかしくなった。
 顔が何だか熱い――。
 何を小っ恥ずかしい事を平然と言ってるんだ。バカは僕だ……真吾は心の中で、酷く悶えた。

「僕は……君の目に、そういう事をできる男だと思われてる方が、余程ショックなんだけど……」

 と言うと、腕の中の美奈が焦ったのかビクリとした。

「あ――ご、ごめんなさい!そういうつもりじゃ……違うの……!」

 それならどういうつもりだと問い質したい所だが、必死に謝る美奈が何だか可愛いくて、怒る気も失せてしまう。
 愛の代わりに襲われたと思い込んだ話を聞けば、そこまでしなくても予想はついた。
 レイプの理由が堕児だと信じ切れない美奈は、若さ故の――要するに、結城愛を抱けない|欲求不満《フラストレーション》が、たまたま送っていた美奈に向いたのだと、思い込むしか無かったのだろう。
 本気で拒絶しない理由も、キスにだけは応えてくれる理由も……それだけで全ての謎が胸に落ちた――僕が好きだから……。

「僕さ……女の子に告白されたのって実は、はじめてなんだよね」
「え、本当に?何か意外……」
「意外でもないよ――って言うと少し情けないけど。本当にそういうの、ないんだ。だから、凄く嬉しかった……」

 惹かれた相手に思われていた――それだけでも、夢のように奇跡だ。
 まるで青春の1ページのような奇跡を、自分から手離さなければならない。彩夏に話した時から、真吾は心に決めた事があった。

「けど、ごめん……思いに応えてあげられない……」

 乾きかけてた目が途端に潤むと、美奈は涕泣した。
 咄嗟に肩を抱こうとした手を、真吾はそっと引っ込めた。
 真吾が心に決めた事――それは、堕児騒ぎが収まるまで誰とも付き合わない事だった。誰でも抱くような状況で、彼女を作れば相手を傷つけてしまうかもしれない。
 真吾は美奈の膣《なか》から堕児の死体を回収すると、美奈に堕児を差し出した。グロテスクな生物だった物体を、美奈は泣くのも忘れて茫然と凝視する。

「僕が、君の思いに応えてあげられない理由……」
「これが……付き合えない理由なの……?」
「そうだよ、コレが理由だ……」
「それが理由だって言われても……わからないよ!」
「僕は堕児を殺せる唯一の能力者だって、さっきも言ったよね。コレを殺しまわっている限り、彼女なんて作れない……他の女性を抱く男と、大崎さんだって付き合いたくないだろ?」

 美奈はその言葉に俯くと、手元をジッと見つめた。
 次第に溢れた涙が頬を伝うと、認めるのが嫌だとでも言うように首を横に振る。心の底では美奈も理解していると心づき、その思いに真吾は苦しくなった。
 それでも受け容れ切れないのは、手の届く距離に来た自分を離したくない故の思いなのか――なまじ抱かれてしまってるから余計なのかもしれない。
 心の痛みが美奈への同情によるものなのか、それとも美奈を諦めた事への未練なのか、真吾自信にもそれは、わからなかった。

「これを大崎さんに教えるのは、酷だと思う……」

 美奈の双眸が戸惑いに震え、不安だらけの瞳が自分を見つめた。
 本当は、こんな事は言いたくない。
 でも……こうでも言わないと、美奈が未練を断ち切れそうにないなら、仕方がない。美奈が自分の言葉を理解しながらも、受け容れ切れてない事を、真吾は気づいていた。

「正直……話すのは躊躇するよ。でも――こう言わなければ諦めがつかないなら教えてあげる。僕は君の前に二人、既に堕児を殺す為に女の子を抱いてる。一人は妹だったよ……」

 それを聞かされた美奈の顔が強張り、涙がすぐに溢れて次から次へと落ちていく。相当なショックを受けている事が、見目からも痛いほど伝わってくる。
 切り裂くような痛みを心に感じながら、真吾は続けた。

「わかっただろ、これで……堕児の為に、誰でも抱くのがどういう意味か。そんな状態で、大崎さんの気持ちに応えられないんだ、わかってよ……?僕しか、堕児憑きの女性は助けられないから……それをわかっているのに、安穏とはできないよ……」

 嘆きを吐くような独白を、美奈は悲痛な顔で聞いていた。
 きっと彼女を随分と傷つけてしまった……それがとても苦痛だった。だが、自分自身も深く傷ついた事を、真吾は気づけなかった。
 美奈は俯いたまま、一度だけ無言で頷いた。
 理解を……してくれたのだと、無理矢理にでも真吾は思いこんだ。恋愛に慣れていれば、もっと上手く諦めさせられたのだろう。しかし嘘の苦手な真吾は、これが精一杯だった。
 その時、唐突に二人の間を夜風がサーッと過ぎて行った。
 美奈の羽織るワイシャツの裾が、風にふわりと棚引いた。11月の冷たい外気に晒される白い素肌が、嫌に寂しげに目に映る。
 風を受けた美奈が、寒そうにワイシャツを掻き寄せた。
 思わず美奈の肩に手を掛けると、真吾はそっと胸に抱き寄せた。
 びっくりしたのか、美奈は涙が止まったようだった。

「あ――いや、ごめん。寒そうだなって、つい……」

 咄嗟に、まるで言い訳のように口をついた言葉は、そんな言葉だった。どうして抱いてしまったのか、真吾は自分でもわからなかった。

「ごめん……服を着させてあげれば良かったのか。バカだな、僕は……」

 誤魔化すようにテレ笑いを浮かべながら、制服を取る為に身体を剥がした。

「い……いい!こ、このままが……いい……」

 そう言うと美奈は、離れようとする身体にしがみついた。
 美奈は甘えるように胸にしな垂れかかり、図らずも抱き合うような状態となる。
 ドキドキと鼓動が、早鐘のようで煩かった。

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2018/08/07 00:00 | 小説概要と目次COMMENT(0)TRACKBACK(0)  

竜を継ぐ者(26)女の子から貰った人生はじめての告白は、酷く苦い味がした①



◆ お知らせ ◆

この小説は、ノクターンノベルズ様の方で先に掲載しました。
掲載新章がノクターンの方に追いついたので、1章を分割して掲載する事にしました。
若干、変な場所での区切りになる話もあるかと思いますが、ご了承ください。
ブログの方が、少しだけ掲載が早くなる程度の違いになるかと思います。
 ◆―――――――――――――――◆

「滝川くん……何でこんな……」

 嗚咽に喉を詰まらせると、美奈は沈黙した。
 彼女は「何でこんな事するの」と言いたかったのだろうか。
 それとも「何でこんな事をしたの」と聞きたかったのか。
 終える暇もなく泣き出されて、抜去する猶予も堕児を回収する間もなく――落涙する美奈を真吾は抱擁した。
 美奈の肢体は、抱きしめたらバラバラになりそうなほど細かった。頼りない肩を抱きながら、胸に抱いた頭を気遣うように、そっと撫でる。

「……ごめん……」

 拒む様子も全く見せず猫のように頬を胸に摺りつけてくる美奈は、どことなく甘えているようにすら見えた。
 レイプした男の抱擁に、どうして応えてくれるのか……それを自分で言うのもどうかと思うが、まるで恋人にでも甘えるような美奈の姿に、真吾は煩悶する。
 美奈の態度に苦悩していると、徐に美奈が口を開いた。

「私は――結城さんの代わり……?」
「…………えっ!?」

 信じられない言葉を聞かされて、真吾は茫然と美奈を見つめた。
 美奈はその視線を苦しげに受け止めながら、悲痛に喘いだ。

「だって私――滝川くんが、好き……。好き、なのに……やめてって言ったのに……こんなの、どう思えばいいのか……」

 美奈は言い終わると、親の死に目にでも会ったように激しく啼泣した。
 強烈な一撃を貰ったような衝撃に、身も心も硬直する。思いもよらない瞬間に、思いもよらない相手からの……思いがけない告白。
 女の子から貰った人生はじめての告白は、酷く苦い味がした。
 美奈の悩ましい態度の謎の一部は、突然の告白で解けた。
 頭を撫でる手に、抱擁に、キスに……彼女が甘えるように応えてくれたのは、恋慕の気持ちを向けていたから。

「何故もっと早くに……せめて君を犯す前に、好きだと言ってくれれば――」

 息が詰まる程に力強く抱きしめられたからか、美奈の嗚咽がびっくりしたかのようにピタリと止んだ。

「もっと君を優しく抱いてあげられた……言ってくれなかった事を、君の所為だと責めるのは間違ってる。それは理解してるよ。でも言って欲しかった……そうすれば、僕は君をレイプしないで済んだのに……!」

 美奈の小さな頭を抱きしめる肩が、細く震える。
 肩先に、紅葉のような美奈の手が触れた。

「たき……がわ、くん。泣いてる……の?」

 覗き込む美奈の濡れた双眸が、自分を犯したクラスメイトの涙を見て当惑していた。

「ご……ごめん、僕に泣く資格なんか無いのに。自分のバカさ加減が、あまりに情けなくてさ……」

 美奈は戸惑うように目を伏せると、首を横に振った。
 彼女も何と言えば良いのか、わからないのだろう。思いを打ち明けなかった事を責めて、泣かれて……しかも、レイプしたのは当人なのだから、心が追いつかないのも当然だった。

「でも……この誤解だけは解かせて。どうして結城さんを引き合いに出したの?」

 美奈は伏し目がちのまま、途切れ途切れ呟くように告白した。たどたどしい美奈の言葉は、聞きながら咀嚼できるだけの時間があったが、あまりに予想外の返答だった。

「滝川くん、結城さん好き……だよね?知ってたの。結城さん……好きなんだろうなって。代わりに犯されたのかなって……そうでなければ、私なんて――」
「僕が相手にするはずなんて無い――大崎さんは、そう言いたいの?」

 真吾は、美奈の言葉を奪って続けた。
 怒ったような冷ややかな響きに、美奈は酷く驚いたようだ。見開いた双眸が、泣きそうだった。

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